材料費も燃料費も電気代も賃金も上がるこのご時世で、企業が利益を上げていくためには、自社の財・サービスの値上げをするのが一番の近道であることは論を待ちません。
社内の合理化での対応はすべきですが、インフレのスピードに追いつくとは思えません。
弊社のクライアントで、この情勢下、値上げが上手くいって久しぶりに(ほとんど10年?ぶりに)まずまずの利益を上げることに成功した会社(以下A社)があります。
売り先は消費者ではありませんが、小口分散で、力関係ではA社が強いです。
仕入先は大手ですが、A社の仕入額シェアが相対的に高いので、力関係では負けていません。
成熟産業で新規参入はない業界です(むしろ同業は廃業しています)。
代替品も特にありません。
という訳で、かのポーター教授のファイブフォース分析が全く当てはまって利益が出やすい状況になっています。
それなのに、なぜ直近まで儲かっていなかったのか?
デフレ下で、価格競争をしないと「ほかの会社に客をとられると思い込んでいた」のが原因です。実はそんなことはなかったわけで、昨年からインフレを理由に、相当値上げしても客離れはしていません。
顧客をABCにグループ化して、特に小口のC顧客に対してはちょっと「むごい」ほど値上げをしています。
値上げをしやすい業界に属していること(あるいはそういう業界に移れること)、これはインフレ下ではかなりの強みになります。