「ドン・キホーテ」は何かと話題になることが多いですね。
去る11月21日、従業員に違法に長時間労働をさせたとのことで今年6月に家宅捜索を受けていたとの報道がありました。
なんでも「安売り王一代」(安田隆夫氏)という本が出た翌日の報道のようで、ちょっと皮肉な感じがしました。
この本(文春文庫)、早速、読んでみましたが、なかなか面白かったです。
いろんなトラブルを乗り越えてきたことが書かれています(今回もまたその一つになりそうですね)。
比較的、恰好つけずに、本音で書かれているような印象を受けました。
30~40代の頃までは、「これだけ多くの人との出会いや付き合い別れを繰り返していれば、将来は相当な確率で、瞬時に人を見抜く力がつくだろう」と思っていた。しかしそれは錯覚であり幻想に過ぎないことを、はっきりと思い知らされるようになる・・・
このあたりは非常に共感しましたね。
さて、このドンキについては悪口を言う人が多いです。例えば、
①かの大物コンサルタントは、「あそこが儲かっているわけがない」と数年にわたって言っていました。
②1996年に上場した当初、多くのファンドマネジャーやアナリスト(その多くは女性)は、売り場のごちゃごちゃ感や値段が自分の嗜好に合わないために、否定的な評価を下していました(藤野英人氏)。
③以前出席したバンクミーティングで、某銀行の本部再生担当は、ドンキと取引していて儲かるはずがない、と発言していました。
④最近お会いしたある有力企業の社長は、あの売り場で棚卸なんてできるはずがなく、絶対にいい加減な数字に決まっている、と言っていました。
などなどです。
しかし、営業キャッシュフローの右肩上がりの数字をみれば、これまでの利益成長に疑いがないことがわかります。規模も年商6840億円となっています。
勝てば官軍ということではありませんが、「好き嫌い」でものごとを判断すると間違うことがある例ではないかと思います
(ひょっとすると、上の③は当たっているかも・・・と少し思っていますけど)。
そういえば、「圧縮陳列」は船井総合研究所の売場活性ノウハウとして宣伝されていますが、この本では、船井さんの話は特にでてなかったです。