熊本で被災された方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
余震に加え、雨も降り、厳しい状況が続いていると思いますが、どうかがんばってください。
被災地の方々や役所の方々が精一杯のところアイデアベースで恐縮ですが、「空家」(近県の空家率はおそらく15%以上です)がたくさんあるかと思いますので、これを有効活用することで、車やテントや避難所などで寝ることから当面脱出することができないかと思ったりしています。
さて、こういった災害があると、防災グッズが売れるようで、Amazonなどでも一部の商品は売り切れたりしていたようです。
また「断捨離」が流行っていますが、スタイリッシュに見える「ミニマリスト」は災害に弱いことが一気に明白になってしまいました。なにしろ余計なものを在庫していないので、すぐに生活ができなくなってしまう訳です。防災グッズなんて蓄えているはずはありませんし。
先週読んだ「下流中年」(SB新書、帯には「誰もが転落予備軍」と書いてあります。)には、ミニマリストに本当に貧乏な人はいない、という趣旨のことが書いてありました。「必要になったら買えばいい」という考えが成り立つのは、ある程度お金を持っている人だけだからです。本当に貧乏な人は、再度買うことができないかもしれないのでものを捨てない訳です。
最近、被災のたびにトヨタの生産が止まります。今回もアイシン精機の子会社工場で生産停止となったため、国内のほとんどの組み立て工場が操業停止になるとのニュースを耳にしました。それでもトヨタの経営が揺らぐことはないのでしょうから逆に感心してしまいます。
やや飛躍した議論かもしれませんが、ジャストインタイム生産というのも、ミニマリスト生活と同じで、金持ちの(あるいは力のある)会社)にしか本来はできないのかもしれません。そこまで力のない会社は在庫によるバッファを持ってミニマリストたる大企業に奉仕するしかないのでしょうか・・・などと考えてしまいました。
ジャストインタイムを原理としての生産・物流改革は、「社内」では、無駄取りの効果があるので推進することに価値はあるものの、これを「社外」まで強引に押し付けると、実は非効率や弱いものいじめが発生してしまう可能性があるように思います。