経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

返品の多い取引の採算分析

純売上×粗利率で採算を把握していると間違えるという話です。

最近、ある場面で説明したのですが、どうもあまりわかってもらえなかったので、意外に難しい(というか私の説明がうまくない)なと感じました。



そこで今回再度書いてみました。



純売上×粗利率で採算を判断している場合、
純売上も粗利率もマイナスということはないので、取引は必ずプラスに見えます。
しかし、本当は、返品が大きく、しかも返品された商品の再販の可能性が低いと、取引は赤字になります。
なぜかといいますと、
純売上=総売上ー返品額なので

(総売上というのは、いったん納品した分の売上です)


純売上×粗利率

=(総売上ー返品額)×粗利率
=総売上×粗利率ー返品額×粗利率
=総売上×粗利率ー(返品額ー返品原価)
=総売上×粗利率ー返品額+返品原価
ここで返品原価(戻ってきた商品の在庫計上額)が実はゼロ(価値がない)場合は
返品額が大きいと取引自体が赤字になることを示しています。
「生もの」に近い食品や季節特性の強い商品は返品されたものの価値が低いので、机上の空論ではなく、本当に赤字になるので注意が必要です。