今回の震災により多くの方の尊い命が失われたことに、深い哀悼の意を捧げます。
同時に被災された皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げます。
東北に拠点を持つ企業はもとより、原発と停電の影響で、首都圏で消費マインドが落ち、
小売業や飲食店の経営を直撃しています。
政府の皆さん、東京電力の方々、なんとかがんばって形勢を立て直してください。
さて、私とお付き合いのあるA社の工場は、東北地方にあり、被害を受けました。
そのA社の社長自身も、11日(金)の仙台出張(日帰り予定)中に被災され、
ホテルのロビーや県庁に設けられた避難場で3泊を過ごされ
体調も崩し、かなり追い詰められた状況の中、14日(月)の朝に、
なんとか電源を確保し、A社の幹部にパソコンからメールを送られました。
危機状況かつ情報不足下での社長からの指示として秀逸かつ感動的です。
本人の許可を得てここに載せさせてもらいます。
原文はA4で2枚以上に及びますので編集していますが、基本的には原文のままです。
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心配かけましたが、何とか大丈夫です。
本日は、工場に行こうとも思っていたのですが、交通事情や体調、また15日にははずせない予定があり、早めに東京に戻ったほうが良いと判断しました。バスや飛行機の他ルートも確認しましたが、皆満席で2~3日先になってしまうことでしたので、××さんに東京まで送ってもらうこととしました。朝に仙台を出発しますが、国道をひたすら通っていきますので、到着は何時になるか分かりません。したがって今日は出社できないと思いますが、ご了承ください。
さて、皆さんから連絡をもらいましたが、実際の現況はわかりません。本日から各部署で状況把握をし、行動を冷静に行ってください。
(以下、工場別に詳細に指示を出していますが省略します)。
取引先からはいろいろな問い合わせや質問が来るかと思いますが、ここで客先への対応を誤ると、
仕入先からは材料の供給を渋られたり取引条件の変更を迫られたり、売上先からは転注されたりで大変なことになりかねないので、特に慎重にしなければなりません。
よって、問い合わせに対する回答を統一するために、情報の一元管理をし、回答の窓口を絞りたいと思います。決して作業者個人への問い合わせはさせない、回答させないよう注意願います。基本的に本社△△部長に情報を集めるようにしてください。
(以下、対応の仕方について詳細に指示を出していますが省略します。)
本日の本社、各工場の全体朝礼で電話対応に対しては徹底させてください。
取引先は当社が震災にあったことは理解してくれてるでしょうが、製品Xについては遅延は許されないはずですし、これだけは当社もなんとしてでもやり遂げないといけないでしょう。
また、製品Yは、震災にあったから納期や品質が落ちたなどは許されないし、もしそうなったら二度と仕事が来なくなりかねませんので、言い訳なしの待ったなしです。厳しい言い方ですが現実はそのように見られます。約束どおり納品できるよう全員で協力お願いします。
こういう時だからこそ、気を落とさず今まで以上に気合を入れて乗り越えなければなりませんので、協力のほどお願いします。踏ん張りどころです。
地震の影響はしばらく続くと思いますが、皆で協力し合い、全社で乗り越えましょう。
以上、よろしくお願いします。
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追記
A社社長は、なんとか14日の夜遅くに新潟経由で東京にたどり着かれました。