テレビ化・映画化された「ハゲタカ」の作者・真山仁氏の
最新作が出ましたので読みました。
真山氏は、「マグマ」で地熱発電を
「ベイジン」で中国の原子力発電を取り上げていますが、
今回は、震災後の原子力政策を巡る話です。
ストーリー自体は、
読んで楽しんでいただければと思いますが、
ぜひ紹介したいフレーズがありましたので、
部分的に引用させていただきます。
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マキャヴェリは、「君主論」の中で、君主にとって最大の悪徳は、
憎しみを買うことと、軽蔑されることだと断じてる。
同時に、優れた君主は側近の意見に柔軟に耳を傾けながらも
必ず君主自身が判断すべきと・・・記している。
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厳しい批判者を側近に置くことが権力者の鉄則であると、
多くの歴史が語っている。だが、カリスマ的指導者が
独裁の階段を駆け上がり始めると、周囲には追従者だけが残る。
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大学のときのゼミの教授の口癖が
「絶対権力は必ず堕落する」だったことを思い出しました。
よく、企業には、リーダーたる社長だけでなく、
番頭が必要といわれていますが、
この番頭さんは時に、社長に対してシビアな態度を取り、
そして得てして排除されます。
短期間ではなく長期間に渡って企業が存続するためには
口うるさい人も必要なのでしょう。
私もコンサルタントとして
クライアントの経営陣の方々に、時として
厳しいことを申し上げることが大切なのだな、
と改めて思った次第です。