「幸福な家族はいずれも似ているが、不幸な家族はそれぞれに違う不幸をかかえている。」
ご存知トルストイのアンナ・カレーニナに出てくる言葉です。
なかなか味がありますね。
幸福な家庭ならぬ、幸福な企業がいずれも似ているということは、
ベストセラーの「エクセレントカンパニー」や「ビジョナリーカンパニー」等で
掘り下げられており、取り上げられた会社の業績がその後凋落したりして
話題になっています。名著と思いますが、現実は難しいものです。
それはさておき、
中小企業経営コンサルの現場にいる私の印象としては、
「不幸な企業は、いずれも似ている」という方がピンと来ますね。
経営不振の企業の経営者にお話を伺うと、
「うちはこんな特殊な理由で不振です」という話を熱心にされるのですが
(失礼ながら)私としてはデジャブのように思ってしまうことが多いです。
従来はあった需要が低迷している、グローバルに価格競争が激化している、
幹部従業員のレベルが低い(「意識改革が必要だ」)・・・
だいたい同じです。
共通しているのは他責の話が中心で自責(経営力)の話にならないところです。
これはなかなかつらいですね。
まずは自社が、特殊な理由ではなく典型的な理由で経営不振企業になっており、
自身のこれまでのやり方が不振を招いていることに正面から向き合う必要があるのでは
ないかと思います。
それができないから難しいのでしょうけど・・・