経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

目標設定を低くする?

サッポロビールのCMで妻夫木聡さんと広島の黒田投手のやり取りで



妻夫木さん:目標を達成するための秘訣は?

黒田さん:目標設定を言い方が悪いですけど低くするということですね。

それをクリアする。またすぐ立てる。

というのが印象的です。

あれだけ大リーグでも実績を上げた来た人だけに。



企業での目標設定(全体・部署・個人)では、

「背伸びすれば届く程度に高いものにする」というのが定石かと思いますが、

そうなっていないことが多いです。

ほとんどが、相当にがんばっても届かない、とか

そうなれば確かに良いが、実績から見るとか実現性が低い(ゼロに近い)

目標となってることが多いです。



常に未達。

未達は日常茶飯事。

なので絶対に達成しようとする文化がなくなっています。



それでも「がんばる目標」を立てるのが奨励されています。

低い目標を立てて達成するより、ハードルの高い目標を立てて未達の方がよい。

それもそうでしょう。



努力目標と獲得目標(必達目標)という区分もありますね。



名著といわれる「ビジョナリーカンパニー」(ジムコリンズ氏)では、

「社運をかけた大胆な目標」(hairly bold goal)が、単に良い会社とビジョナリーカンパニーを分ける原因の一つと書いてあったと記憶しています。



それも否定しませんけど、

企業の再生現場で感じるのは、確実に達成する目標を立て、

クリアして、ダウンサイドリスクを減らし、信頼を得て、次に進むことの大切さです。

とくに見込み生産(見込み発注、先立っての人員の確保、設備投資・・・)を行わざるを得ない業種の企業で、高い売上目標を立てて、仕込みを多くすると、破たんのリスクが高くなってしまいます。



機会損失より、実損の回避が大事な場面では、

実現性の高い目標設定が求められていると思います。