経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

情勢本3冊を読んで

「トランプトノミクス」とかで、アメリカの株価は急騰しています(少なくとも先週までは)。

市場が特に期待しているのがインフラ整備など大規模な財政出動のようで、米国の景気を押し上げるだけでなく、鉄鋼や建設機械の世界的な需要拡大につながり、資源価格にも上昇圧力がかかることになりそう、という話です。

まあ、いろいろと矛盾することも言っているトランプさんなので、どうなるかわかりませんけど、保護主義を貫いて世界経済を極端に悪化させることは、あまり考えにくいですね。

 

さて、2016年も終わりに近づいてきたところで、3冊の「情勢本」を読みました。

野口悠紀雄さんの「日本は円高に対処できるか」(ダイヤモンド社)

朝倉慶さんの「暴走する日銀相場」(徳間書店)

中原圭介さんの「経済はこう動く2017年版」(東洋経済新報社)

です。

 

今後の予想については、ばらついているところもあるのですが、

①アベノミクスで、大企業の収益は上がったが貯めこまれており、実質賃金が(円安もあり)上がらないので、景気は良くなっていない。むしろGDP成長率は、アベノミクス前の方が高い。

②日銀のマイナス金利は、愚策で、これ以上の策を日銀はとれなくなっている。そもそも2%の物価上昇は、消費者のためにならない。

という点については表現は違えど驚くほど共通でした。これは今後の経済情勢を見ていく上では、とても重要な観点かと思います。

 

個人的には、大胆に国民の将来不安を軽減するような策を取らない限り、消費低迷は続きそうなので、日本の景気的には厳しいという気がします。

ただし、グローバル企業の業績は、ひょっとするとトランプ効果もあり、上向くかもしれません。

日経平均は上がるかもです。

となると、ますます日経平均と巷の景況感がかい離してきそうです。

 

まじめに国内市場に依存する中小企業を経営することに金を使うより、単に日経平均に投資しておいた方がよい、などというバカバカしい疑念を捨てきれない今日このごろです。