経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

債務償還年数と資金バランス

本日も、ある会社の取引銀行がすべて集まるバンクミーティングに行ってきました。

弊社でお手伝いをして「再生計画」を作ったので、その説明会です。

その席で、「債務償還年数」がやはり話題になりました。



銀行は、会社の出す収支計画に基づいて

「債務償還年数」を計算します。

細かい定義はありますが、

大まかに言うと、借入金総額÷償却前(税引後)利益で計算します。



利益で借金を返すと何年かかるかという計算なので、

銀行としては非常に重視しています。

利益が少ないと、100年とかかかる計算になってしまいますし

償却前赤字だと、無限大になってしまいます。

この債務償還年数という概念は、

キャッシュフローの範囲でしか返済しないという形で

リスケ(返済条件の変更)をしてしまった会社にとっては

非常に意味のある数値ではないかと思います。



ただし、リスケしてない会社にとっては、

あくまでも計算上の目安の数字で、

実際は、月々の約定返済額と月々キャシュフローが

見合っているかどうかのほうが重要です。



月々の返済が50百万円で、月々の償却前利益が10百万円しかないと

資金的には毎月出血状態ですから、

どこかでまた借りなければなりません。

(これを「固定資金不足」と呼んでましたっけ・・・)



当たり前の話なのですが、

利益を上げるといっても現実的にはなかなか大変です。

そこで、月々の返済が多すぎる場合は、

リスケするか、さもなくば、借り替えによって

口数を減らす、あるいは長期の借入に置き換えていく努力をして

どこかの時点で、返済<キャッシュフローに

もって行くことが大切かと思います。



利益の目標はあっても、この資金の均衡状態の実現を

目標に掲げている会社はあまりありません。

今一度、チェックしてみてください。



最近、1年返済(12回返済)とか、10回返済とかいう短期でしか

(プロパーでは)融資してくれない銀行がありますが、

これで借りてしまうと、

返済のために借りることをずっと続けなければなりません。

○○中毒の状態に会社を追い込む、このような誘いは

断固として拒否したいところです。