「社長自らが商品をデザインをしている会社の業績は軒並み悪い。」
先日、私が顧問をしているアパレル会社の社長から聞いた興味深い話です。
もちろん社長自らがデザインをするすべての会社の業績が悪いわけではないでしょうし、
たまたまトレンドに合っていたり、なんらかの原因で一時的に「絶好調」ということもあるのでしょうが、こういった会社に永続性がないことは多いです。
自分で商品やサービスを企画をしながら、顧客目線で再点検するとか
「ある程度抑える」「がまんする」とかとういうことができないんですね。トップにいると。
やりたいことを全部やってしまう。
売れない(売れている場合も?)アーチストならいいんでしょうが、
会社を成り立たせていくには難しいかもしれません。
エッジを効かせた商品やサービス自体で差別化するという戦法は、もちろんありますが、そこに客観性は必要です。
また、もし、会社の強みが、デザイン力や企画力ではなく、営業力であったり、品質であったり、小回りの効く付帯サービスなどであったりする場合(得てしてこれが多い)は、商品自体への過度のこだわりは抑制したほうが上手くいくと思います。
数年前に三浦展さんが「下流社会」の中で、
下流の若者は、がまんせず「自分探し」をして窮乏化し
上流志向の若者は、ストイックに自分のやりたいこと以外のことをして
ますます両者の差が開いて行くというような趣旨のことを書いておられましたが、
同じように経営者のストイックさの度合いによって
企業の業績にも差がついてくる訳ですね。きっと。