「やっぱり管理しないと、皆勝手に動いて結果が出ないので、
一人一人が何をどうするのか、方針を明確にして、
進捗をチェックして行かないと、上手くいかないというのが
実感です。」
これは、M&Aされた会社に買収会社から派遣されて
苦労の末、3年で建て直した社長から最近聞いた言葉です。
この人は、率先垂範のタイプで、全く高圧的なところもない
どちらかと言えば技術屋で、
人の使い方に相当悩んだ3年間だったようです。
私はこの会社のM&Aされる前の経営者も知っていますが、
たぶんいろんなことを放任していて、経営状態が悪くなりました。
具体的な経営方針や達成すべき数値(財務的なものというよりは
現場での目標)を明示していなかったと思います。
対照的なのが今の社長のやり方ではないかと思いますので、
「管理しないと」という言葉の響きはややネガティブにも
聞こえますが、まあ当然のことなのでしょう。
この社長の偉いのは、方針や目標を示すだけでなく
「どうやってやるか」についての相談にもマメに乗っている
ことです。お話を伺うといつも感心してしまいます。
最近、別の社長から聞いた話も印象的でした。
「(ウチの社員には)計画が立てられない人っているんですよね。」
「各人が、計画を立てて、進捗管理をしていき、遅れや不足が
あれば対応するということは当然と思うのですが、
それができないので、私が、各人の計画の細部までチェックして
いないと上手くいかないので、私の手帳はメモで一杯です。」
(といって手帳を見せてくれました。)
実感から出た言葉なので、私もその場では何も言えませんでした。
ちなみにこの会社も業績は良いです。
管理・管理が正しいやり方なのか?
自由闊達(放任?)にやらせることが、最終的には人材が育つ?
我慢して「させてみせ」ないとダメ・・・
などの考え方もあるとは思いますが、
管理していないのは、
ひょっとして経営者として手を抜いているのではないか、
一度よく考えてみた方が良いかもしれません。