かつてアパレル企業の部長をやっていたとき
直営店のスタッフがら、店長が厳しすぎてついていけないので
辞めたいという直訴をかなり頻繁に受けました。
当時、都内に何店舗かあったお店は、
駅ビルなどに入っており、10時~11時まで仕事があり、
店長だけでなく、スタッフ個人の売り上げのノルマがあって
ボーナスや昇給に直接影響するので
なかなか厳しい職場だったと思います。
その会社は大卒を毎年数十人採用していましたが
有能と思われる女性社員は、真っ先に店舗に配属されました。
これはこれで売上を上げるために賢いやり方のように今でも思います。
ところが、店長はといいますと、厳しい環境を勝ち抜いてきた「たたき上げ」ですから新人社員とまったく合わないことが多かったです。
お店は3人~5人で運営されていました。
基本的には店舗間のローテーションがありませんので、新人スタッフの中には、
ずっとこの小さい世界にいなくてはならないと思い絶望していた人も多かったです。
出勤しようとすると、吐き気がして家を出られないなんてことはざらでした。
辞めたいというスタッフに、それなら私が店長と話をしてみようか、と
水を向けると、密かに去りたいので、店長にはこういう話をしていること自体、内緒にしてほしいと言われました。
密告に対する店長からの厳しい仕打ちを恐れていたわけです。
そうは言っても、放って置くわけにもいかず、タイミングをみて店長に
こういう話があったので、次からは改めてほしいと話をすると、
それはそれで、泣いたり怒ったりで大変でした。
孤立した状態で社員が「絶望する」という環境はなんとか改めたいところです。
私がそれ以前に勤めていた金融機関では、支店や部に
どうにも合わない上司がいても、2年~3年で転勤することが
わかっていましたから、なんとか精神衛生的には大丈夫でした。
同じ部署にそれなりに人数もいましたし。
中小企業では、どうしても組織が小さく固定します。
人事の360度評価は無理でも、社長や幹部が社員一人一人とたまにはゆっくり話をすることが大切でしょうし、ジョブローテーションを行うことも大事なことなのでしょう。
また、できれば所属する部署があまり少ない人数構成とならないような工夫をしてもよいかもしれません。
オフィスの席替えも有効です。わざと部署ぐちゃぐちゃに席配置をするとコミュニケーション上もよいという話も聞きますね。
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厳しい上司がいないのでうちは大丈夫?
それはそれで会社的には心配ですけどね・・・