これまでの推移を見ていると、
自分としてはこのくらい出世しそうだとか、
5年後、10年後の年収はこのくらいになりそうだとか、
サラリーマンをやっていると、当然考えると思います。
そこでは「努力すればすごく良くなる」という前提はあまり入っていないのが
通常です(少なくとも一旦は・・・)。
ところが、経営者の方々と話していて、
このままの成行きでは、今期は、そして来期の売上・利益はどうなるか?
5年後、10年後はどうなるか?
の予測を、それなりに数字でシミュレーションしている人がほとんどいない
のに驚かされます。
これは、
①経営者が本当に楽観的で、将来に確信を持っているので、深く考えない。
②経営者が悲観的で、将来のことを考えても暗くなるだけなので、考えないようにしている。
③経営者が日々のことで忙しくて、考える暇がない。
などによると思います(MECEではないでけど)。
①は、あながち否定してはいけないかもしれません・
天才・芥川龍之介は「漠然とした不安」に耐えられなくて自殺したと言われていますが、
そんなことでは、経営者は全く務まらないので、「漠然とした楽観」も悪くはないですね。
でも、そんなんで良いかと言われると・・・
②③にしても、経営者としては問題が大きいです。
社員にしてみれば、経営者が、今期・来期・数年後の数字をシミュレーションしていないなんて
「想定外」でしょう。そんな人についていきたくないですよね。
このままでいくと、どうなってしまうか?
かっこいい経営ビジョン作成の前に、
この重い問題について、じっくり考えてみることが、経営者業のスタートかもしれません。
金融機関で貸付の審査をしていたとき、
「収支の予想は、実績の堅い延長線に立って考えることが基本」と
繰り返し教えられました(し教えてきました)。
金融機関は外部の存在なので、本当のところは会社がどんな状況かわからない訳です。
そんな外部の人より、経営者の方が正確なシミュレーションができるに決まっています。
まずは成行きのシミュレーションから始めませんか。