私の本「本当に強い会社をつくるための新常識」を書くにあたって、相当な数の経営ノウハウ本を読んでみました。いわば敵情視察です。
もともと「社長!○○しなさい」的な本は、あまり好きでなかったのですが、意外にも(少なくとも部分的には)参考になることも多かったです。
例えば、原田繁男さんという方の「これこそ!社長の仕事」(ずばる舎)には、「中小企業の(中小企業で必要な)本当の人材」について書いてあり、ここは共感したので何度も読み直しました。
「中小企業の本当の人材とは、苦しいときになんとか辻褄を合わせてくれるような社員です。会社の目標に届かないようなときに、・・・そのマイナス分を、休日を返上してでも穴埋めしてくれるような社員です。」
「一生懸命やりましたけどできませんでしたというような社員は人材ではありません。」
「能力の差とは意識の差なのです。・・・常に前向きな考え方があれば戦略的な思考も出てきます。そのように導いていくのが社長の力量というものでしょう。」
上手に表現するなあ、と感心しました。
(このコンプラ時代になかなか「休日を返上してでも」とは言えないのでしょうけど。)
私も経営者の端くれとして、最初の「苦しいときになんとか辻褄を・・」とかの気持ちはよくわかります。これは、中小企業に限ったことではなく、大企業の課や部単位でも同じことかと思います。
思いだせば、一担当者として金融機関の支店勤めのころ、四半期の貸出目標が班別に設定され、地盤が悪い私のいた班は苦労していました。班の目標が達成できなそうな場合は、自分の個人ノルマは達成していても、班全体での目標達成ができるように更にがんばりました。しばしば、自分の主義である「借りてくださいとは言わないで借りてもらう」を曲げてでも貢献したものです。もちろん相当な残業をして稟議書を書きました。
ちょっと自慢みたいになってしまいましたが、確かにこういった志向の社員が会社にたくさんいれば言うことはないですし、また、そういう社員を育てることが大事なんですね。
そして休日を返上してでもやってくれる社員がいない場合は、人のせいにしていても仕方がないので、当面は自分でやるしかないですが、そうならないようにするのが社長の任務でしょうか。
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私が育てた訳ではありませんが、弊社には本当にがんばってくれる社員がいます。場面場面では相当な無理をして、しかも全くいい加減な仕事をしない社員です。本当にありがたいことです。