このブログにも、また「本当に強い会社を作るための新常識」(東洋経済新報社)にも書いたことですが、
社員の意識改革の必要性を唱える経営者は??です。
まず、自分の問題でなく、社員の問題と思っているところが「問題」です。
この文脈で、最近読んだ雑誌と本に、「わが意を得たり」と思ったものがありましたので紹介します。
松井忠三氏(良品計画会長)が、雑誌Wedge2月号で、
「30代半ばのとき、西友の人事で、意識改革の研修を担当した。部長以上を300人集めてハードな研修を行ったが、会社は立ち直らなかった。意識改革が先ではないことがわかった。」おっしゃっています。
「西友での失敗経験があるから、(良品計画では)意識ではなくまず仕組みを変えた。仕組みが変わってしまうと意識は自動的に変わる。」とのことです。
「仕組み」は、「しまむら」のマニュアルから多くを学んで作ったとのことす。素直ですね!
仕組みはまずは作ってしまって、ともかく実行し、そして修正していくことが大事です。
ユニ・チャームの高原豪久社長は、著書「共振の経営」で、
「結局のところ人の成長は、その人の意欲や努力によって促されるものであって、他人が関与できる余地は小さく、できることといえば『成長を促す良い習慣を会社全体の仕組みにすること』くらいだと思います。」と書いておられます。
「成長を促す良い習慣」とは、
①主体性が強い。
②人脈作りがうまい。
③腰が軽い。
とのことです。こういったことが評価されることが大切なのでしょう。
①②はともかく、③は意外ですが、いいですね。「よし!やってみよう。」です。
この考え方が共有されることが、下手な「意識改革」よりずっと大事かと思います。
「意識改革」を唱えながら、社員が何かに挑戦して失敗すると「バカ!」という経営者は終わりですね。
(そういうシチュエーションを何度も目の当りにしていますが・・・)