経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

「営業力の強化」というテーマについて

よく経営課題の一つとして「営業力の強化」を掲げる会社があります。

それ自体は至極もっともなことです。

売上が上がらなくては話にならないので。

 

シンプルな手段としては営業員の数を増やすことかと思いますが、

「営業員を増員しましょう」という提案をして受け入れられた経験があまりありません。

経営者が「量ではなく質である」と思っているからです。

でも実際は「量」が決定的に大事なことが多いのです。

 

とても売れているという「キリンビール高知支店の奇跡」(キリンビールの元副社長・田村潤さん著・講談社+α新書)を読みました。

高知支店の支店長時代に、小売店ではなく飲食店回りに営業の「量」を集中させることを起爆剤にして成功した話です。

試行錯誤しながら成功した話ですし、しかも支店全員で成功の喜びを共有し盛り上がっているところが涙が出るほど感動的です。

 

同時期に「どん底営業部が常勝軍団になるまで」(藤本篤志さん著・新潮新書)も読みましたが、ここでも「営業量を増やす」「営業数を増やす」がまず必要であると強調してありました。この本では、営業のコンサルタントとして著者が「コープさっぽろ」の営業改革を実際に行ったことが書いてあり、とても興味深かったです。

コンサルタントは「答えを知っていて当たり前」とクライアントに思われながら、改革を進めていかなければならないのですが、実はそうでもなくても(汗)、試行錯誤は許されないところがつらいですね。この本のポイントはそこではないのですけど・・・

 

営業部長や課長が直接担当する顧客(や個人の目標数値)をなくして、部下の担当者の管理・支援に回しましょう、という提案もなかなか受け入れられないものの一つです。担当者に営業日報を時間をかけて書かせるより、上司ときちんと高頻度で面談するほうが大事ですし、同伴営業や面談・指導をちゃんとやるためにも、できる部長や課長の営業担当をはずすことが全体の数字を上げる近道であるというのが定説なんですけど、これはなかなか受け入れられませんね。