経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

3月決算のデメリット

3月も中旬になりました。あとわずかで決算を迎える企業も多いかと思いますが、今日の話は、これから会社を始めるなら3月決算は避けるべきではないかという話です。



上場企業は3月が多いですよね。

官公庁は3月締めですし、大企業などの取引先も3月決算だとすると、それに合わせておいたほうが、実力の把握もしやすいですし、予算組みもしやすいですよね。

総会屋対策で決算日を他社と合わせておきたいという目論見や税制改正が4月なのでそれに合わせたいとか、新卒の社員の入社日に合わせてとか、いろんな理由もあるようです。

 

ただし、中小企業を含む全規模で見た場合、3月決算は全体の20%程度のようです。

意外にばらけていて9月、12月、6月もそれぞれ10%程度を占めています。流通業では棚卸が一番少ない2月が多いですが全体の中では6%程度しかありません(ちなみに弊社も2月が決算です)。

 

さて、なぜ3月決算でないほうが良いかといいますと、

①銀行との付き合い上、3月決算でないほうが都合がよい。

②税理士さんとの付き合い上、3月決算でないほうがよい。

からです。

 

銀行員が成績を上げたいために、期末にいろいろとお願いをしてくることが多いですが、銀行と同じ決算月にしていると、リクエストに応じるとこちらの決算の見てくれが悪化してしまいます。銀行員からの依頼は、今でも結構あります。月末だけ借りてくれ、割引をしておいてくれ、預金をおいておいてくれ、とか。そういう意味では、銀行の中間決算である9月も同じことがあります。こちらの決算月でなければ、ある程度銀行員のわがままも聞いて恩を売りやすくなるわけです(恩を売っても意味がない銀行も多いので、そこは吟味が必要ですけど)。

 

税理士さんは3月決算の会社を抱えていることが多いですので、3月決算の企業の顧問先は増やしたがりませんし、仕事を受けてもらった場合でも、どうしても閑散期にくらべて、1社あたりにかける時間が減ってしまいますので、相談に乗ってもらいにくいことがありえると思います。

 

決算期の変更はそれほど大変ではないので、業務上の繁忙度合いにより、あるいは利益のたまり具合を考えて、変えてみるのも手ですね。年間の試算表を振り返ってみて、一番利益が出ている時期に決算月を変更すると、それだけで債務超過を脱出してしまうという企業があったくらいなので・・・