人口減少の日本ではアパレル企業の業績の悪化が目立っていますが、
人口が増えている米国でもアパレル企業は厳しいようです。
3月27日付けの日経MJでは
「米衣料 リストラの嵐」
「ブランド信仰低下・ECにのまれ・・・」
「BCBG、経営破綻」
「アバクロ、60店追加閉鎖」
との見出しで、米国の衣料品小売業が苦境に立たされていることをレポートしています。
BCBGマックス・アズリアは、米国やカナダ、欧州などで550店舗以上を展開している女性向け高級衣料の企業ですが、破産法11条の適用を申請したとのことです。リミテッド(250店舗)、ウエットシール(170店舗)も今年に入って破綻しているようですし、この1年間で50店舗閉鎖したアバクロは、追加で60店舗閉鎖するとのことです。
JCペニー(今年中に130~140店舗閉鎖)やメーシーズ(今年夏までに68店舗閉鎖)といった百貨店が厳しいのは日本と似ていますよね。
衣料品販売に占めるEC比率は15年で17%(14年対比2.2ポイントUP)とのことですので、直近はもっと上がっているでしょう。アマゾンには相当影響を受けているようです。これも日本と同じですね。
さらに、「所有より経験」を重視する世代が増えているとか「携帯電話代に支払う金額が大きい」とかも、日本とほぼ同じ話です。
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ちょっと話はそれますが、2011年に、書店チェーンの大手(全米で2番目の規模だった)Bordersが破綻したのはショックだった記憶があります。私の住んでいたミシガン州アナーバー発祥の書店で、1971年にミシガン大学の学生が創業した企業でした。本店は、アカデミックな雰囲気と自由な雰囲気(お客さんが立ったり、座ったりして読んでいました)があって素敵なお店で、絶大な支持がありました。それでも、結局は、環境の変化とアマゾンにやられてしまった訳です。
人口の減っている日本では、アメリカ以上に、アパレル関連だけでなく小売の事業が厳しくなっていくのは自明のことなんでしょう。そういう前提で事業計画を組んでおかないと、毎年修正計画を組まなくてはならなくなってしまいそうです。