経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

中小企業における人事ローテーション

中小企業では、人材不足のため、人事のローテーションが行われておらず、同じ仕事をずっーとやっている人が多いために、マンネリ化やタコツボ化(セクショナリズム)が起きやすいと言われています。

 

ある会社では代わりの人がいないということで十年以上も中国に置き去りにされて泣いている人をインタビューしたこともありましたし。

 

一方で、社長としては、いろんな部署を経験してのジェネラリストというより、経験豊富な専門性の高い一騎当千の人員が各部署にいてくれた方が、うれしいのではないかと思います。

 

昔話で恐縮ですが、1989年から2年間、私は通商産業省(現・経済産業省)に2年間出向しましたが、その間、1年ごとに課長がローテーションで変わりました(ちなみに2人目の課長は、現・北海道知事の高橋はるみさんでした)。課員は、課長・課長補佐(課長補佐も1年で交替です)・キャリアの1年生・2年生・ノンキャリア4人、出向者7人という構成でした。主たるメンバーは、毎年変わります。皆さん(出向者も!)は90何パーセント東大卒の優秀な人たちなので、それでも当然のように仕事をこなしていました。でも、本当はもう少し長い期間でローテーションした方が、ノウハウが蓄積できて効率的な気がします。ジェネラリストとして人材の質を上げて行くことの価値が高いという判断でしょうが。

 

私の関与させていただいている企業の中にも、かなり積極的にローテーションを行っている企業がありますけど、あまり業績が良いとは言えません。競合他社に比べて、人材の専門性(と人脈の広さ・深さを含む)が低いような気がします。限られた例なのであまり敷衍するのは危険ですけど。

 

で、本日の結論(仮説?)です。中小企業の人事ローテンションは、組織活性化・部門の壁の打破・広い視野を持つ人材の育成と言う意味で、肯定的に考えてよいとは思いますが、全員をずっとローテーションさせるのではなく、目的の範囲内でやり過ぎない程度に限定して(ただし定期的に、あくまでもアクセントとて)行うことがよいのではないかと思います。どうでしょうか。