銀行が融資申し込みをしてきた会社の審査をするとき、固定資産の減価償却償却不足がないかをチェックします。
で、償却限度額まで償却を実施していないと、なんでですか?と聞いてきたり、銀行での査定上、PL、BSともに、下方に修正されたりします。
要はわかりやすい粉飾という扱いになってしまいまう訳です。
しかし、この償却限度額というのは、あくまでも税法上のものなので、実際の固定資産の使用予想期間とは、かけ離れたものになってしまっています。大手企業は、税法とは関係なく、償却期間、したがって償却限度額を会計上使って財務諸表を作成していて、かつ、税務申告は税法上目一杯償却していることが多いです。
中小企業も、会計と税金申告は使い分けすれば良いのですが、なかなかそうなっていません。
国も設備投資を企業に増やして欲しいので、たくさん償却して節税になるように、耐用年数を配慮して短くしているのですが、それが、中小企業にはマイナスに作用しているという、皮肉なものです。
大型の設備投資をして、定率法で思いっきり償却したり、特別償却などを使うと、下手すると簡単に債務超過になってしまう中小企業は多いです。債務超過だと、銀行の審査も途端に厳しくなります。これでは、企業は勝負に出れませんね。
国も企業も銀行もそしてデューデリジェンスを担当する会計士やコンサルタントなども、ちょっと考えたほうが良いのかもしれません。
直接関係ありませんが、最近、その節税が企業を会社を殺す(松波竜太さん著)とう本を読みましたが、新しい観点もあり、面白かったです。