経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

後で検証するための材料を予め用意する

経済予測とか株価予測とかは昔から好きです。

経済専門誌などもそれなりに読んでいます。

でも予測に基づいてこれまで自分で行ってきた投資の実績が群を抜いて良いかというとそれほどでもないというのが正直なところです。

 

まあ、人間誰しも間違うわけですが、

新規に投資をした時点で、どういう考えに基づいて判断したのかをちゃんとメモしておかなかったことを反省しています。

どういう前提だったのか、どういうシナリオでうまく行くと考えたのか、というあたりです。

 

「予測した通りだったかどうか」を検証するための材料を予め残しておくということが大事なのではないかという話です。

 

意思決定の理由が曖昧だと、結果として失敗した(成功した)というだけで、次の活動にあまり活かされません。

次回も同じ種類の失敗をすることになりますし、たまたま成功しても続きません。

経験を積むというのはそれだけで意味はありますが、どうしてうまく行かなかったのか、

当初から何か間違っていたのではないか、そこをはっきりさせて行ったほうが上達すると思います。

 

で、

企業活動では、よくPDCAを回すことの重要性が言われていますが、

Pの段階で、

  • なぜそれを行おうとするのか、
  • どういう前提でそれを行うのか、
  • 成功する場合のシナリオや道筋はどういうイメージか
  • 今までどうしてそれができなかったのか、

というあたりが十分に検討されていないことが意外に多いです。

これこれこういうことをやりたい、メンバーと手順と予算はこう、とは書いてあることが多いですが、

失敗した場合に後から見て、そもそもどこを間違えたのか、という反省に活かせない記録になっていることも少なくないのではないでしょうか。

 

大きな経営計画についてももちろん当てはまりますが、

例えば毎期の生産と売上と在庫の関係についても同じことが言えると思います。

 

ある製品の在庫を残してしまったときに、なぜ失敗したのかについては失敗した段階で考えるとは思いますけど、

そもそも当初(期初)にどういう方針で生産したのか、その理由・根拠はなんであってどこを間違えたのか、

を振り返ることができる材料が揃っていなくて曖昧になっているケースがすごく多いわけです。

意思決定の理由が曖昧(あるいは記録に残していない)からです。

 

「また次でがんばろう、だけで、ちゃんと反省しないとレベルアップしない。」ということは誰もが同意すると思いますが、

「反省するときに使える材料を予め残しておくことが肝要である。」ということは当然のことになっていないような気がしてなりません。