経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

市場の成熟と機会費用の低下

節分の日に、豆を買おうと思って、会社帰りにコンビニに寄ったのですが、なんと売っていませんでした。

大量廃棄で問題になった恵方巻も売り切れていました。

豆は2店舗目のコンビニで残り1個となっていたものを辛うじて買えたのですが、当然在庫があると思ったものがなくて驚きました。

 

アパレルや家電やインテリアなどで、季節性の高い商品は、文字通り、売る時期を逃すと「腐る」という思いで取り扱うことが必要ですが、食品(クリスマスケーキや恵方巻や節分豆など)は究極の季節品で、生産や仕入の数量計画が特に難しいですよね。

 

さて、日ごろアパレル製造業の経営者と話をすることが多いのですが、台風だ暖冬だということで、毎年作った商品が余って、見切り損または在庫評価損(計上するかどうかは別として)を出していることからすると、在庫を持っていないことでの損失(機会損失=持っていれば売れたのに・・・)が毎年低下しているように思います。一方で、見切り損や評価損(繰り延べても翌年以降実現)の実損失は増えています。

 

そういったロスも含めて原価を低く(売価を高く)設定すると競争力がなくなり、ますます売れなくなるので、さらに在庫が残るという悪循環となっているのが日本のアパレル業だとよくものの本に書いてありますよね。

 

人口が減り、経済成長もほぼない日本では、「機会費用」自体が低下しています。

機会費用とは、「他の行動をとっていれば得られた利益のうち最大のもの」ですので、「在庫を持っていたとしてもたいして売れない」という状況であれば、機会費用が低下し、つまりどうやっても最大の売上はたかが知れているということです(あくまでも大して差別化されていない商品という前提ですが)。

 

機会損失=機会費用-実際の利益

 

機会費用が低下しているのであれば、上の恒等式で機会損失も低下していきます。

大事なのは、実際の利益です。

 

この認識を強く持たないと間違う(売上を上げたい→高めの仮需を想定する→それに見合った商品の量を作る・仕入れる→しかし実際は売れない→損失)ことになります。

特に、「営業が最初からそんな弱気でどうする」という精神論に基づいた多めの数量の決定は、絶対に避けたいところです。面白くはないですけど・・・

 

一昔前まであれば、多少数量を間違え多く作っても、経済が右肩上がりならなんとか消化していった訳ですが、機会費用が小さくなっている現在では、安易な仮需の想定ではなく、商品を磨き、営業をがんばって、卸売では「確定受注を積み上げる」、小売では「消化できる店のキャパを増やす」ことこそ、最重要な行動であり、確定受注(確度の高い消化数)に基づいた発注数量の決定(=機会損失があっても甘受する)という当たり前の行動こそが求められています。

 

いくつかの商品(差別化できる商品)に限って、確定受注(や確度の高い消化数)より多めに発注することやテストマーケティングをすることは全く否定しませんが、全体の数量コントロールをシビアにしないと命取りになるので注意が必要です。