経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

危機を見るに敏

2011年の東日本大震災の際に、素早く乾電池を韓国から輸入して利益を上げた会社の社長を、「機を見るに敏」として、このブログで紹介した記憶があります。

今回のコロナ禍でも、素早くマスクや防護服の生産に動き、業績の落ち込みを最小限に抑えた会社が弊社のクライアントに何社もあります。不当に高く売ったりしたわけではないので、批判されるべきではありません。

もちろん、今となってはマスクなどは生産過多で中国でも倒産企業が相次いでいるようですし、日本国内でも在庫が積み上がっていますので、深追いして損をする可能性も十分ありますけど、なにもせずひたすら嵐の過ぎるのを待つ社長よりよっぽど称賛されるべきと思います。

やっぱり中小企業はリスクをとって早く(速く)動くこと大事ですよね。

そして「結果論」や「後知恵」で批判されるのを苦にしないこと。

また、この機に固定費の削減を進めている企業も多いです。そこまで経営が悪化しているわけではなくても、「このご時世なのですみません」と頭を下げて、昔からのお付き合いで支払っている会費などを切ったり、先代から仕方なく続けてきた赤字事業を止めたりとか。

さて、今回のこの危機ですが、リーマンショックや震災のときに比べて、今のところマイナスの影響を強く受ける業種(=観光、宿泊、飲食、アパレル、百貨店、そのほかの休業要請業種・・・)がはっきりしていて、それ以外はそこまで強い影響を受けていない印象です。

弊社のクライアントでは、運送(宅配の増加)、包装機器関連(テイクアウトの増加)、縫製(上記のマスクの生産)、スーパーマーケットなど、業績が向上している会社も何社もありますし、政府系金融機関や保証協会による手厚い金融支援(今回はリスケ企業でも融資が出ています)があるために、資金繰り的には一息ついている企業も少なくないと思います。

しかし、耐久消費財(自動車や家電)を含めた最終需要の低迷や海外でのコロナの影響は今まであまり影響が表面化しなかった企業にもダメージが回ってきますし、金融面での緊急対策もずっと拡大するわけにはいきませんので、「第二波」が来るのか来ないのか、いつ来るのか、にもよりますが、半年から1年で、中小企業の景況感はさらに悪化する可能性もかなりあると思われますので、一層の準備が必要と思います。