経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

「ビジネスモデル全史」を読み返しました

連休に、三谷宏治さん著「ビジネスモデル全史」(ディスカバー・トゥエンテイワン)をゆっくり読み返しました。

422ページにわたる大作で、いろんな学者(ないし経営者)の理論(ないし実践)の紹介本です。

なぜ6年前に発刊されてベスト経営書に選ばれたこの本を今頃読んだかと言うと、弊社のクライアント企業の若い社長が社員に課題図書として推したからです(たぶんグロービスさんで勧められたのでしょうか・・・)。で、改めて読んでおかねばと思い、正直なところ気がそれほど進んだわけではなかったのですが、結果としては、面白かったです。

まず、90年代で自分の中で止まっていた、米国の経営学の流れを確認できたことが良かったです。

以前学んで感銘を受けた事例や学説を復習できたことも、良かったと思います。

「ポジショニング対ケイパビリティ戦争」などは、私がビジネススクールに行っていたころ正に流行っていた議論でした。ミシガン大学ビジネススクール1年生のコア授業Corporate Strategyの担当教授だったアラン・アファーが写真入りで紹介(P61)されているのはちょっと嬉しかったです。当時若手のバリバリでしたがアフリカンな癖のある英語で、とっても苦手でした。無理に5F’sを当てはめるので、どうかと反発した私の試験答案は、最低の評価をされた記憶があります・・・。

また、「すべてのビジネスをサービス業に!」という箇所では、昔、感銘を受けたトニーシェイがザッポスで実践していた「目的はモノを売ることではなく、そこで忘れ難い感動体験をしてもらうこと」という言葉も思い出しました。セコイアキャピタルから「理想より現実を見ろ」と効率化を迫られていたというの面白い逸話も教えてもらいました。

ビジネススクールの授業で、絶対に取り上げられるサウスウエスト航空のケレハー(HBSのケースは懐かしいです)と、リーンスタートアップのリースの仮想対談は、とても面白かったです。

三谷さんがケレハーに言わせている、リーダーのあり方として、

「マネージャーは率先垂範型ではなくチーム重視型、とか、手続き重視より即断即決であれ、とかが明白だ。ただトップはそこで、いかに複雑性や曖昧さに耐えられるかが勝負だな。新しいことをやっているのにすぐに「○○億円を達成せよ!」とか叫ぶ奴はダメだな。せっかくの人材を潰すだけだ。」

というのは非常に印象的でした。

「新事業に業績必達を求めるな、失敗からの学習こそ第一の目標にすべき」(ゴビンダラジャン)ということですね。

恥ずかしながらダートマス大学タック校のゴビンダラジャンさん(通称VG)の本は読んだことなかったので、今、「ストラテジックイノベーション」(翔泳社)にトライしています。

たまにはアカデミックなブログでした。