経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

社長業をあきらめるのは難しい。

先日、非常にお世話になった会社の創業社長の葬儀に出席しました。

奥様も、息子さんも、娘さんも、よく知っている人達で、本当にぐっと来るものがありました。

 

その社長とは、銀行の紹介で知り合いました。

為替デリバティブを銀行の付き合いで買ってしまい、大変な額の損失を抱えていました。

訴訟したり、ADRに持ち込む手ももありましたが、すでに銀行と損失分を融資に振り替える合意がなされていたので

我々としては、そこは踏み込まず、なんとか再生計画をつくり、銀行団にリスケに応じてもらいました。

 

その状態から社長の粘りで、数年なんとかやっていたのですが、

外部環境も厳しく、また、銀行の追及も厳しく、

スポンサー型の第二会社方式で、債権放棄をするしかないところまで行ってしまいました。

 

創業社長だけに、自分のオーナシップを手放すのは、ものすごく抵抗があったと思います。

事業は残る、社員も引き取ってもらえる、とは言え、自分の作ってきた会社を他人に渡すわけです。

つらかったと思います。

 

社長の説得を、私たちがした訳です。

たぶんだいぶ恨まれたと思います。

それでも事業と社員も残せました。

 

こういった役回りを何度もしきました。

よく、経営者を不幸にする事業再生は嘘だ、という主張も聞きます。DPOの方がよいとか。

耳が痛いです。

 

でも、状況を分析してベストなシナリオと確信してやってますんで、社長、どうかお許し下さい。

今も社長の作られた事業は生きています。