その日、弊社事務所でクライアントの社長とミーティングしていたところ、
実家から携帯に電話があり、「仕事中なんだけどな」、とやや怒りながら折り返してみると、
母は「変な電話がかかった」とあたふたしていました。
曰く、「○○(孫の名前)はオレオレ詐欺の一味になってしまったようだ。えらいことだ。」
「債権投資で損失を出してしまったので、お金を貸してほしいと言われたが、親に相談しろと言って、なんとかいったん電話を切った」
「またかかってくるからどうしよう」
ということでした。
オレオレ詐欺的なものとは認識しているのに、孫がその一味になっていると誤解しているのは、なかなか面白いな、と思いつつ、
「本人からの電話のはずがないから、もう相手にせず、警察に電話して」と話して、その場はいったん電話を切りました。
ところが話はそれで終わりませんでした。
母は、「警察」に電話したのですが、それが罠でした。
実は、その日の2~3日前に、警察を名乗る人物から実家に「この地区でオレオレ詐欺が頻繁に起こっているから、何かあったらここへ電話してください。」という電話があって、母はその電話番号(110番ではない携帯番号)をメモしていたので、その電話番号に電話してしまったのです(あるいは、その「事前電話」で、いろいろと聞き出されていたのかもしれません)。
電話に出たニセ警察は、母親に「捜査に協力してほしいので、今から銀行に行ってってお金をおろしてきてほしい」と巧みに誘導して、
母は本当に閉店前の信金に行って数十万円を引き出してきたのです。
危ないところでしたが、信金の方が、おかしいと気が付いてくれて、わざわざ2人で実家にやってきて、母から話を聞き出して、その場で本当の警察に電話して、なんとか被害を免れました。
信金の支店の方には本当に感謝です(地域密着感謝です)。
警察の方もアポ電強盗もあるからと、当日は母をビジネスホテルに連れて行ってくれました。ありがたいです。
それにしても伏線をきちんと引いておくこの作戦は、なかなか高度です。
と、この話を何人かの知人にしたのですが、驚いたことに、かなりの確率で親が詐欺に実際に会って被害にあったとか、会いそうになったとかいう反応でした。実家の固定電話は廃止したという人も多かったです。
気を付けないといけませんね。本当に。