日経ビジネス2021年7月5日号の特集は
「大は小を兼ねない」中小企業再編論の罠
というものです。
・・・だが、日本の中小企業には、大企業にない技術や革新性を持つ会社もいまだたくさんある。
彼らをやみくもに再編統合し”大企業化”すれば、多くがその魅力を失いかねない。
と書いてあり、ツインバード工業やサンコー等、
「技術がある」
「アイディアがある」
「働き改革が進んでいる」
「DXが進んでいる」
「グローバル化が進んでいる」
「ダイバーシティが進んでいる」
企業を紹介しています。
昔からの中小企業白書(私も30年前に執筆に加わりました)みたいで、
正直、かなり陳腐な議論だと思いました。
優秀な中小企業がたくさんあるのは当たり前です。
私自身の職業人生もそれに賭けてきている訳なので、よく知っています。
ただ、現場で、個々の企業の社員の給料まで見ている私の日々からすると、
そういった企業を含めて、中小企業の社員の給料が大企業並みなのかどうかは
きわめて疑わしいと思ってしまいます。
日本の中小企業の生産性は(平均的にみると、あるいは下位の企業は特に)低いので、
改善(統合・再編、場合によっては淘汰)が必要だという
デービット・ワトキンソンさんの指摘は冷静に聞かないと話にならない、
とこの記事を読んで改めて思いました。