経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

千円札でも拾いたい?

6月20日号の日経ビジネスに安田佳生氏(ワイキューブ)が寄稿した記事があります。



「無謀な借り入れで失敗」

著書「千円札は拾うな。」で社長が有名なワイキューブが民事再生法適用を申請・・・



「千円札を拾うな。」というのは「1000円札を拾うと目線が下がり、

横に落ちているかもしれない1万円が見えなくなってしまう、という意味だそうです。

目先の利益よりもっと価値のあるものに目を向けようとのメッセージでした。

出版当時、タイトルが面白いので、私も買って読んだ記憶があります。



なぜ千円札を拾わなくても良い状態であったかというと

多額の借り入れをして、お金がジャブジャブあったからでした。



借り入れをして、やたらと福利厚生にお金を使っていたようです。

「優秀な人を採用して、その人がどんどん新しいことをやりたいと

思える環境を作っていけば、どんな事業も成功すると思っていた」そうです。



最近読んだ本(「一年で黒字を実現する赤字企業再建術」(椢原浩一さん著)

にも、「黒字企業の経営者は従業員を大事にしている」という件があり、

なかなか名言と思いました。



ただし、当たり前ですが、厳密に詰まった計画がないままお金を使っては、失敗してしまいます。

なかなか当人は気がつかなかったのでしょうね。過信もあったでしょうし、

コンサルを生業としていたので、誰かの助言を聞くことも難しかったのかもしれません。

(この点、自分にも当てはまりそうなので、気をつけたいと思っています。)



さて、そんなわけで、安田さんの会社は、途中から、

『会社を残すためには「1000円札でも拾いたい」くらいの自転車操業状態に

なってしまった』そうです。



この状況で、これだけウエットに富んだコメントを残せるのですから、たいしたものです。

この人は、きっと大丈夫でしょう。