最近読んだ本「低成長時代に業績を伸ばす社長の条件」(関根威氏、幻冬舎)と「フォロワーのための競争戦略」(手塚貞治氏、日本実業出版社)の両方に成功事例として登場したのが、
東京都町田市の「でんかのヤマグチ(株式会社ヤマグチ)」でした。
いわゆるナショナルショップだった同店舗は、1996年当時、年商は16億円、粗利益25%で最終利益はほとんど出ていなかったとのことです。大手家電量販店の進出により、苦境に立った社長は、3万5千世帯あった顧客リストから、1万1千世帯にリストを絞り、そのなかでも購入頻度も購入累計額もトップの優良顧客に徹底して密着して、御用聞き営業をしました。
その結果、年商は4億減って12億円になりましたが、粗利益率が38%にまでアップして粗利益の額が結果として5千万円増加したとのことです。
儲けさせてくれるお客様(その多くは高齢者)に集中して、「トンデ行くヤマグチ」として、サービスを徹底した訳です。
電球の球が切れたと電話が入ると、電球一個のためにトンデ行く。
連ドラの録画の仕方がわからないと電話が入るとトンデ行く。
明日から夫婦で旅行に行くとなれば、留守番中の犬のエサやりもやる。
らしいです。
このヤマグチさん、かなりテレビや雑誌で記事になっていますので有名ですよね。ハイタッチ営業で成功した例として私も知っていました。
この戦略を真似するのは難しいようには思えませんし、実際にも修理サービスに力を入れているお店はたくさんありますが、どうしてここまで徹底して成功したお店が他にはあまりないのでしょうか?
考えられるのは、
「サービスもするけど競争を気にして低価格(低粗利)で販売してしまっている」
「サービスの徹底度が低いので、ヤマグチさんほど評価されない」
「顧客をこちらから絞るのはもったいないので引き続き幅広に顧客を相手にしている」
というあたりでしょうか?
ほかの業種でもこのヤマグチさんの考え方は、かなり真似させてもらえるように思います。
改めて勉強になりました。
それにしても、冒頭に書いた2冊ですが、タイトルが上手いですね。
これも勉強になりました。
・・・・・タイトルとしては今一つかもしれませんが、私の「本当に強い会社を作るための新常識」(東洋経済新報社)も引き続き宜しくお願いします(まずまず売れてます!)。