日本マクドナルドホールディングスでは、「戦略的閉店」により、190店舗を閉店することになっており、すでにかなり進められているようです。
「不採算店の閉鎖」は企業再生の王道(?)で、銀行が大好きな戦法です。
閉店する店舗の中には、かなりの好立地もあるようで、ライバルのハンバーガーチェーン(ファーストキッチンやバーガーキング)が、場所を狙っているという報道もありました。
なぜ、ほかのハンバーガーチェーンで成り立つ立地(家賃)の店舗を閉店するのか?
相当不思議です。
常識的に言えば、マクドナルド店舗の売上がほかのチェーンより低いから、または、損益分岐点が、ほかのチェーンの店舗より高いから、ということになります。
でも、そんなことってあるのでしょうか?
マクドナルドの店舗当たりの売上がほかのチェーンより相当低い(落ちたとは言え)?
マクドナルドの材料費比率がほかのチェーンより相当高い?
マクドナルドのバイト代がほかのチェーンより相当高い?
マクドナルドのその他経費がほかのチェーンより相当高い?
にわかには信じられません。
確かに店舗単位であれば、本部からの材料費仕入れ単価が高い、FCとしてのロイヤリティが高い(10年契約で1億円とかという報道を見ました)を考えると、損益分岐点は高いのかもしれません。
しかし、会社全体(あるいはFCも入れたグループ)としてみれば、本部費(ロイヤリティや仕入単価に含まれるマージン)は、固定費を回収する(利益を出す)手段ですから、本部費込では赤字ながら、本部費を除けば利益を出している(固定費は回収している)店舗も撤退→さらに全体としては損益悪化という典型的なデススパイラルに陥っているように思えます。
これでは縮小均衡になりません。
そんな初歩的な間違いをしていないとは思うのですが・・・
今、本部としてやるべきは、すでに原田体制で減らした店舗(あのときはマクドナルド難民が出ましたね)数をさらに減らすのではなくて、店舗での売上増に集中すべきときと私は思います。そこにお金を使ったほうが、店舗撤退費でお金をかけるよりよっぽどよいのではないかと。
そして本部費自体の縮小(→FCロイヤリティの削減)が急務と思いますね。