弊社でお手伝いして、
なんとか再生の道を歩み始めた、あるいはこれから歩き始める会社に対し、
銀行が資金の提供以外に(新たな資金の提供はしてくれないのですが)
「支援」しますと言ってくることがあります。
支店から言ってくる場合もあれば、本部の場合もあります。
銀行の本部には、再生支援関連の部署があり、
結構な数のスタッフがいます。
この人たちも「支援」をしようとしてくれており、
いろいろとヒアリングしたり、資料を要求してきたりします。
再生途上の企業から銀行にお願いしたいのは、
当然のことながら資金です。
例えば、どうにもならない場合の一時的な融資とか
手形割引とか。
そしてどうしても資金面の支援ができないのであれば
遊休不動産の売却先や賃貸先の紹介とか、
得意先の紹介などのマッチングをお願いしたいです。
ところがほとんどの銀行は、余計な「支援」をしてきます。
典型的には、会社にとって役に立たない資料(切り口が違う月次資料とか、
部門別損益とか、部門別BSとか、無理な「計画とか」・・・)を要求してくる銀行です。
先日などは、ある地方銀行が、会社のつくる部門別損益表に飽き足らず、
内製部門と外注部門とに分けた上で、外注部門に本部費などの固定費を
無理に按分させておいて、そのせいで赤字になった外注部門を廃止しろと言ってので
本当にびっくりしました。
またその銀行は、部門別のBSの作成を要求してきました。
意味がないので拒否していたのですが、何回も要求してくるので
無理やり作成したところ、部門別のROIとか、変な教科書的な話に
発展して本当に困りました。何の結論にも至らなかったのは言うまでもありません。
まず、銀行の本部はできるだけ会社に既にある資料以外の資料の作成を
なるべく要求しないでほしいです。
また支店は、本部からとんでもない資料の要求があっても、うまくかわして(取捨選択して)
無駄なものは頼まないようにして、経営陣が再生のために働く時間を削らないようにしてほしいです。
せめてそのくらいの「支援」はお願いしたいところです。