経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

金融円滑化法終了の影響について

雑誌や新聞で竹中平蔵氏が、現在の日本経済にとって

喫緊の課題は、何かを行うことではなくて、

「金融円滑化法「と「雇用調整助成金」を止めることだと

主張しておられます。



激変緩和と言う名を借りた単なる取り繕い・先送り策と考えれば

そうも言えるのですが、

企業再生の現場にいる者からみると

金融円滑化法は、再生の見込みのある会社が、一旦リスケし

計画をきちんと作って、キャッシュフローの範囲内で返済する

ことを進めたので、良い効果も多分にあったと思います。

日本経済にとっても金融機関にとっても長期的にはプラスと思います。

返済のためにまた借りるということこそ取り繕い策と思えるからです。



さて、3月で金融円滑化法が終了します。

4月以降、隠れ不良債権が表面化したり、中小企業の倒産が急増すると

いった見方があるのですが、これには誤解があるようです。



詳しくは書きませんが、

円滑化法の制定時に金融検査マニュアル別冊「中小企業融資編」も

改訂されており、これは恒久的な措置として位置づけられています。

したがって、円滑化法が終了しても当局の検査・監督方針が大きく変わる

ことはなく、金融機関の対応も同様です。

つまり、再生の見込みがある先については、さほど対応は変わりはなく、

リスケの必要が認められれば応じてくれると考えられます。



銀行に勤めている友人の話では、

銀行は、円滑化法の終了による「出口戦略」には本気らしいですけど、

これは不良債権を出さないようになんとかしていきたいという意向で

むやみに不良債権に区分して処理したいということではないとのことです。



ただし、円滑化法施行から時間が経っていますので

1年以内に経営計画すら作る意思がない企業や、

計画を作ったけれど全く実績が上がっていない企業等、

再生見込みのない先については、債務整理や・自主廃業等の提案が

金融機関からなされる度合いが増していくと予見されています。