藤田晋さんの「起業家」という本を読みました。
ベストセラーになっているようですね。
藤田さんは言わずと知れたサイバーエージェントの創業社長で
2000年に26歳で上場し、2013年9月期の業績予想では、売上高1700億円
純利益120億円となっており、大成功した起業家です。
この本を読んで驚いたのですが、藤田さんはまったくトップダウンでなく、
かなり権限移譲をして会社を経営していたようです。
ところが、危機に際して、迷った末ですが、
アメーバ事業をなんとかするために
その姿勢を一変させ、なんでも自分で決める方針にして、その後
事業は成功に向かったようです。
それまでは、自主性が高く、自分で考え自分で決めて働く人材に
任せて伸ばそうとしていたようですが、
大変になった段階では、「もっと満額回答をくれるやつを揃えなければ」
との考えになって、アメーバ事業の幹部を更迭しています。
満額回答とは、何かを依頼したり、尋ねた時に、そのすべてにきちんと
回答が返ってくることとのことです。
指示に100%応えるタイプの人材が必要になったということですね。
もちろん危機に陥らないようにすることが大切ですし、
自主性があるできる社員にどんどん働いてもらうことも大事ですが、
危機に際してのリーダーシップのあり方としては正しいと思います。
もっとも当時のサイバーエージェントは、上場時に獲得した現預金が
たっぷりありましたから、倒産するような危機ではなかったのですが、
「厳しい環境になったからといって縮小均衡を目指し、ただの中小企業
になるくらいならいっそのこと自分が辞任したほうがましです。」と
藤田さんは考えていたようです。
このあたりが大成功する起業家の違うところなのでしょう。
ただし、現預金がたっぷりあったから、縮小均衡を否定することができたのかもしれません。
とまあ、いろいろと考えさせられ一冊でした。