Accounting(会計)の勉強なんかしたって会社では人に使われる人間になるだけ。
それよりEconomicsを学んでBig Pictureを描けるようになれ。
もう20年近く前の話ですが、ニューヨーク大学の研究所でS教授(日本人)に言われた言葉です。
ここでBig Pictureとは、「大画面」ではなく「問題の全体像」とか「大局」とかいう意味です。
今にして思えば、教授の言葉は頷ける面もありますね。
私が勤めていた金融機関から(留学?)派遣されたその研究所では、
今をときめくポールクルーグマンや、現役のポールサミュエルソン、マートンミラー、
ジェームズトービンなどノーベル賞受賞の巨人たちを呼んだ日米関係に関連した
シンポジウムを企画して(バブル後の)日本企業にPRして寄付金を集めていました。
留学とは名ばかりで教授のための下働きの毎日だったのですが、これでは
2年間という期間中に何も身につけずに帰国することになると焦った私は、
教授に相談せず、ビジネススクールの夜間の会計系の授業を受講していました。
会計であればともかくSkillは身に付くと思ったからです。
そんな私に、S教授は冒頭の言葉を掛けてくれたのですが、
人格的にも尊敬できなかったので正直なところ私は反発していました。
教授のJapanese Economyと取りたい授業がぶつかりそちらを選択したことが
教授の怒りを買ったりして派遣期間は半年間短縮となってしまいました。
これが引き金となり、私は金融機関を辞める決意を固めました。
帰国後もう一度ちゃんと留学を経験したいという思いで夜学校に通い
自費でミシガン大学のビジネススクールに行くことになるのですが、
良い教授がいたこともありそこではマーケティング系やマネジメント系の授業をとりました。
とまあ、私の回顧録はこの程度にします。
中小企業にとってはSmall Pictureの方が常に重要というのが私の持論ですけど
時間があるときにはBig Picture把握のための勉強もよいのではないかと思います。
経済環境もかなり変化してきていますので。
そこで、夏休みの読書として
「虚構のアベノミクス」(野口悠紀雄著)
「シェール革命後の世界勢力図」(中原圭介著)
をお勧めします。
最近読んだ本のなかで特に示唆に富むと思いました。