ここのところ毎日相当にスケジュールが詰まっており、愚痴の一つも言いたくなるほどに忙しいのですが、私なんぞよりずっと働いてくれている社員がいるので、そこをグッと飲み込んで(飲み切れていないので、迷惑をおかけしている人もいるのですが・・・)、なんとかやっております。
そんな中、今月上旬に相次いで(一日おきに)講演をする機会をいただきました。
新潟と松山でです。
まるで売れっ子先生のようですが、たまたまでして、講演は数か月ぶりでした。
内容は、昨年出版した「本当に強い会社を作るための新常識」(東洋経済)のエッセンス+具体的な事例で、聴いてくださったのは30代~40代の比較的若い経営者の方々です。
対話重視で行いましたので、質疑応答もそれなりに盛り上がったと思っているのですが、経営者の方々が一番興味を示したのはM&Aに関することでした。上手くいった事例だけでなく、PMI(買収後の統合)が大変だった事例とかに対しての反応はありましたね。
事業意欲が旺盛で、まずます財務基盤もしっかりしている中小中堅の会社はM&Aに相当に積極的です。それだけ既存事業が煮詰まってしまっているということの裏返しですけど。
経営者が力を余らせてしまっている訳でしょうか。
M&A仲介が専業の会社の方ともたまに情報交換させていただいているのですが、良い「売り案件」が少なくて供給を需要が上回っているようです。
弊社でも何社かのM&Aに関するファイナンシャルアドバイザーを務めていますが、売り案件の情報に対する反応は意外なほど良いですね。
経営者が高齢で後継者がいない(あるいはいてもイマイチ)という中小企業は山のようにあります。
これらの会社を力のある会社が引き取って活性化することで、日本の地域経済はもっと元気になるのではないか、と期待しています。
PL(営業利益)はまずますでも、BSが悪い(借り入れが多すぎる)会社については、銀行の業績が良いので処理(M&Aを通じての債権放棄=抜本処理)しやすくなっていることも背景にはありまして、売り案件はこれからもっと出てくると思います。
中小企業であっても、経営者たるや、M&Aの情報に常にアンテナを張っているべきではないかと改めて思った次第です。