経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

「選択と集中」が日本経済をダメにした?

藤野英人さんの本は出る度に読んでいます。

この4月に発刊された「ヤンキーの虎」も興味深く読みました。



元々地域の名士で地盤があり、事業意欲の強くて若い経営者が、流通を中心とする参入しやすい事業をガンガン伸ばしてジモト経済を席巻している様を「ヤンキーの虎」たちの活躍として記述されています。



面白い観点です。



私も、たまに地方で若手の経営者の方々に対して講演をすることがあるのですが、多角経営が成功して業績が良く、お金持ちの経営者とよくお会いします。

「地方が疲弊していて将来がない」という印象とはかなり違いますね。



さて、この本では、日本経済をダメにした原因1として、



サラリーマン化して、チャレンジしなくなった経営者は・・・「「選択と集中」を行うのです。今ある事業の中で、成功しているものにお金を回し、失敗しているものを潰す。あとは、法令遵守をきちんとすればいい。これが「近代経営」だと、この20年間、経営者の誰もが思っていました。」・・・

「それは、短期的に社長の地位を保全するにはよかった。しかし、社会全体で、大企業みんながこのように動いてしまったから、日本の経済は成長しませんし、新しい成長分野も生まれません。」



と大企業のサラリーマン経営者を槍玉にあげています。



「選択と集中」は、ダメになった企業を立て直すための「定番」「定石」であることは間違いないと思いますが、それが新しい事業分野にチャレンジしないという意味では、社会全体で停滞(後退)を生んだのは明白です。



といったことを考えながら、本日から4日間、新幹線と飛行機で地方を回ってきます。