「最強の経営者・小説 樋口廣太郎」を読みました。
「金融腐蝕列島」シリーズ5部作や「青年社長(ワタミの渡辺美樹さんについての小説=夢中で読んだ記憶があります)」などで有名な高杉良さんの「作家生活40年、著者最後の企業小説」との触れ込みに惹かれました。
読んだ直後の感想は・・・・すごい人なんだろうけど、この人の何を教訓としたらよいのか、わからないというのが正直なところでした。
住友銀行(前職・副頭取)から4代目の社長として派遣され、「夕日」ビールと揶揄された国内ビールシェア10%の会社を最終的に40%に持って行った(樋口さんが社長時代ではそこまではいきませんでしたが、その基盤を作った)やり手の経営者の話です。
むしろ、社長というのは、ここまで勝手にやっていいのか、という印象が強く残りました。
スーパードライのヒットに乗っかって、ガンガン設備投資をし、財務内容は相当厳しくなったのですが、結果オーライ的にシェアを上げた、そのことについては、ハーバードビジネススクールのケースにも取り上げられていて、ハーバードでも講演をしたとのことですが、リスクを取り過ぎている割に戦略をあまり語らなかったので全く受け入れられなかったという話は有名です。
実は、スーパードライ戦争のHBSのケースは、私がビジネススクールに行っていた時も、ストラテジーの授業で使われてまして、普段全く発言のチャンスがなかったクラス(50人ほどのクラスです。日本人は私一人。)で、相当に準備して手を上げて発言した記憶があります。あれだけたくさんしゃべれたのは、樋口さんのおかげです・・・。
さて、何の話だかわからなくなってきました。すみません。
教訓は、あるにはあります。
大企業の社長ですら、正しいと思った方針を貫き、会社を(客観的には)危なくしてでも、大きな成果をあげたわけです。社員に対しても、脅しが多く、好き放題の発言ばかりでした(フォローは相当にしたようですが)。自分がオーナーの中小企業の社長が、いちいち、いろいろと遠慮していてはダメ、ということですね。
こういうタイプが多ければ、日本経済はもって発展していたのでしょうし。
ただし、そもそも社長が心底正しいと思う方針を持てるかの方が大きな課題でしょうか・・・