日本のサービス産業の労働生産性が低いと言われて久しいです。
本日の日経ヴェリタスの「異見達見」に、「おもてなしが生産性を下げる」という記事を加藤出さんという方が書いています。
「お客様が神様です」と奉仕する方針をある程度改める必要があるのではないかという、指摘です。
米国企業の時間当たりの付加価値を100とすると、日本は、金融が48、運輸業が44.3、卸・小売業が38.4、飲食・宿泊は34とのことです。
生産性=付加価値÷労働時間
「働き方改革」によって、残業が減って生産性は多少は上がるのかもしれませんけど、付加価値自体を上げなないと、生産性が倍になるとは思えませんね。
付加価値は、結局「儲け」なので、利益の出ないことを止める、あるいは利益の出ることに集中することの方が、生産性を上げることにつながりやすいです。利益なき繁忙で、時間当たりたくさん仕事をしても(付加価値)生産性は上がらないのは当然です。
では、日本に儲からないことをやっている人がそんなに多いのか?といいますと、過去のしがらみ・惰性・視野狭窄・とりあえず食える・我慢強い・初志貫徹に価値を置きすぎる(石の上にも・・)・雇用が大切・・・等々の理由で、同じ仕事を続けている会社が確かに多いように思います。
働き方改革も大事かもしれませんけど、廃業支援・業種転換支援・雇用の流動化を進めることの方が、生産性向上の近道のような気がします。金利水準が低すぎるのも同じ理由で生産性向上を妨げていると思いますね。