経済産業大臣認定 経営革新等支援機関

帝国データ評点60点?

先々週、民事再生を出した婦人服小売業「(株)リファクトリィ」という会社は、44億円の売上の決算書を作っていたようですが、実際には、25億円ほどしか売上はなく、大幅に粉飾を続けていたようで、業界では相当な話題となっています。

東京商工リサーチ(TSR)をみてみると、2013年の34億円から毎期売上は増えており、2018年6月の決算では、44億円の売上で、当期純利益は55百万円(ずっと数千万円の当期純利益)で、自己資本比率は24.8%とのことです。

評点は58点です。相当高いですね。

コメントは「衣料小売店J.FERRYを展開。2018年6月期は実店舗は伸び悩んだものの、WEB通販が堅調で増収を確保した。」

確認していませんが、同業の社長から聞いた話では、帝国データバンクでは60点以上だったそうです。

どうやって粉飾していたんでしょうか?

さすがに売掛金/売上高とか、在庫増とかだけでは、そのうちバレてしまいそうです。売掛金や在庫の残高が多くなりすぎるので。

おそらく負債/資産で簿外化させていたんでしょうね。

負債総額は56億円という報道です。もっとあってもおかしくない感じです。

いずれにしても営業キャッシュフローは大幅に赤字になりそうなもんです。

PLはごまかせてもキャッシュフローはだませまん。

ですが、もし、営業キャッシュフローではなく、財務や投資キャッシュフローがマイナスになるように見せていたら、なかなか見破れないかもしれませんね。

私は、帝国データやTSRの評点は、実力を表していないことも少なくないように思います。

非常勤の役員をしている会社でこれら2社からのヒアリングに付き合ったことも何回もありますが、突っ込みは甘いです。

ヒアリングに応えてくれる企業に対しての評価が高くなりがちと思います。

決算を鋭く分析している感じもありません。

一方で、リスケをしている会社の評点が異常に低かったりします。

これには相当に違和感を持っています。

リスケをしている企業は、リスケをしていない企業にくらべて、突然破たんの可能性がどちらかと言えば低いです。

もちろん優良会社と比べるのではなく、あまり調子のよくない会社同士で比べた場合の話ですけど。

リスケ企業は、銀行に本当の話をしていて(粉飾は告白済み)、月々の返済も少なめになっているからです。

リスケしてなくて粉飾をしている企業は、今回の会社のようにバレたときに致命傷になる可能性があります。とくにキャッシュポジションの低い時に銀行が貸してくれなくなったら即アウトですから。

そこらあたりまで興信所の方々に求めるのは無理なんでしょうか?